ヘッド・アンド・ショルダーのネックラインブレイクからの鉄板ロジック
下のチャートはドル/円の5分足チャートに現れたヘッド・アンド・ショルダーの例です。ヘッド・アンド・ショルダーは、3つの高値で形成され、通常は真ん中の高値が一番高く、その高値より少し低い水準の高値が両側に並びます。人間の頭と両肩に見立てて、ヘッド・アンド・ショルダーと呼ばれます。日本では、脇侍を従えた阿弥陀像(三尊仏)に由来し、三尊天井とも呼ばれています。

今回のケースでは、高値1から安値2まで調整し、高値1を上回る高値3をつけます。その後、再び弱含み、安値4をつけます。安値4は安値2を上回っているのでトレンド転換には至りませんが、ほぼ同水準であるため、上昇トレンドからレンジ相場への移行が疑われます。
その後の高値5は、安値2から高値3へ至る時間よりも長い時間を要しながら、高値3の水準に到達することができなかったため、買い方の失望売りを誘い、急落。安値2と安値4を結ぶサポートライン(ネックライン)を一時下回ります。その後、20EMAまで戻しますが、売り方優勢となり、サポートライン(ネックライン)を完全に下方ブレイクします。
ヘッド・アンド・ショルダーの仕掛け時は、ネックライン割れを確認した後にショートでエントリーすることです。安値が一時的に下回っても、ブレイクアウトのダマシにより反転する恐れがあるため、ローソク足の実体(終値)ベースでのネックライン割れを確認し、売りのセットアップが整います。実際にショートポジションを構築するのは、ブレイクした足の安値を下回った時です。
今回のケースでは、ブレイクしたローソク足が長大陰線でしたが、その安値割れで仕掛けます。その後、一時的に反転していますが、20EMAがレジスタンスとなり下落を再開しています。ストップロスの値幅を抑えたい場合は、20EMAまでの戻り局面でショートを仕掛けても構いません。
ストップロスはブレイクした足の高値102.237円超に設定します。TPは機械的に+10pipsに設定しますが、チャート・パターンからの目標値は高値3から安値4までの値幅を、ネックラインをブレイクした位置から減じた水準となるので、今回のケースでは102円割れとなります。
注意点は、ネックライン割れの動きです。Wトップと同様にネックラインの水準でちゃぶつく値動きがあるので、ちゃぶつきで生じた小さいレンジのブレイクアウトを狙った方がよりスムーズに利益を獲得できます。
尚、ヘッド・アンド・ショルダーが上下逆転した逆ヘッド・アンド・ショルダー(三尊底)もあります。