Wボトム、Wトップのネックライン・ブレイクからの鉄板ロジック
下のチャートはユーロ/ドルの5分足チャートに現れたWトップの例です。マーケットではトレンドの転換時に複数回の高値(安値)試しがあることが多くあります。Wトップ(ボトム)は、それまで上昇(下降)トレンドだったマーケットが、2回高値(安値)を試した後に下降トレンド入りする際に現れるチャート・パターンです。

今回のケースでは、高値1をつけた後に、前日の高値と同水準でサポートされ、安値2で反発、高値3まで再上昇します。これは、それまで上昇トレンドだったため、買い方が再上昇をかけてロングしたか、あるいは前日高値を上抜いたのを見て、買い遅れていたトレーダーがロング・ポジションを構築した結果です。
しかし、それ以上に買いが続かないため、高値1を突破できないまま失速してしまいます。安値2を下回るのを見て、買い方が執行するロスカットが、新たな下落トレンドを発生させます。
Wトップ(ボトム)のチャート・パターンの背景にある市場参加者のこうした動きを踏まえると、このチャート・パターンの仕掛け時は、安値2の水準(ネックライン)を下回った時です。
僕の場合は、ローソン足の実体が安値2を下回ったときにショートでエントリーします。ローソク足の髭が下回っただけでは、ブレイクのダマシであるケースが多々あるからです。時間枠の大きいチャートでは、安値2を実体で下回ったローソク足の安値を、さらに下回った時でも良いかもしれません。
ストップロスの水準は、ネックラインをブレイクした足の高値1.38541です。TPは機械的に+10pipsに設定します。また、Wトップの場合は、高値1と安値2の値幅を安値2から引いた水準が、チャート・パターン上のターゲットになります。
今回のケースでは1.38357なので、+10pipsの目標値とほとんど変わりませんが、時間枠が大きいチャートを利用する場合は、かなり違うでしょう。
注意点は、ネックラインをブレイクする時の動きです。ほとんどの場合、ネックラインの水準でちゃぶつく値動きがあるので、「レンジ・ブレイクアウトのフォローによるトレード戦略」と同様に、ちゃぶつきで生じた小さいレンジのブレイクアウトを狙った方がよりスムーズに利益を獲得できます。